『夢に向かって』
今年は雪解けが早く、このまま春になるのかなと思いきや、2月中旬の雪で冬に逆戻りの旭川。やっぱり帳尻合わせてくるのね…と思いながら黙々と除雪に励みました。
そんな大人とは反対に、また雪が積もって大喜びの子どもたち。2月は、春光台公園やスタルヒンちびっこスキー場でのチューブ滑りや、年長さんの歩くスキー、年中さんのアイスクリーム作りなど、北海道ならではの冬の遊びを存分に楽しむことができました。雪中アイスクリーム作りに挑戦した年中さんはー8℃の園庭で、思いきり体を動かしアイスの材料の入った袋と雪を転がしリレーなどで撹拌し、クッキングを楽しんでいました。液体がどんどんシャーベット状になっていく様子に驚き、不思議がり、喜ぶ子どもたちの姿がありました。完全には固まらず、シェイクのようではありましたが、自分たちの手で作ったアイスクリームの味は格別だったようで、「〇ーティーワンより美味しい!」「この味、一生忘れない!」と思いつく限りの言葉で伝えたり、一滴も残さないように丁寧にスプーンですくっている子がいたりと、一人ひとり様々な表現の仕方で感動を味わっていました。子どもたちがそういった体験をし、感動を覚えたときの表情は、見ているこちらも嬉しくなるものです。同時に、子どもたちにより多くの感動の瞬間を味合わせたい!成長を促し生きる力の土台となるような体験とは、どんなことだろう?と研究意欲が更に湧き上がってきます。
一方、一緒にチューブ滑りに行った年少さんと年長さん。年長さんは男の子も女の子も大のお世話好きです。年少さんのペースに合わせて歩いたり、怖くないか細かく声を掛けたり、滑るときには落ちないよう支えたりと、まるで先生のように気を配ってくれていました。行く前に担任が、「年少さんと一緒に乗るときには…」と伝え始めたところ、「わかってる!こうして、こうして…」と、自分たちが年少さんだった頃、当時の年長さんがどのように自分たちをサポートしてくれたのかを思い出しながら話してくれたそうで、自分たちがどうしたら良いのかをしっかりと理解し、行動してくれていました。そして、年少さんは年長さんからの優しさを素直な心で受け取り、嬉しそうに年長さんの後に付いていっていました。その時に感じた安心感や喜びはきっといつまでも心の中に留まり、今後自分たちが成長した時、年下の子どもたちに発揮されることでしょう。様々な年齢のお友だちとの関わりの中で年長さんは自分より年下の子を助けたり、教えたりしながら支え方を学び、年下の子どもたちは受けた優しさをしっかりと受け止め、次へと受け継がれていく。このように異年齢の関わりは、子どもたちの社会性や情緒的な発達に欠かせないものなのだと改めて感じている所です。
3月の卒園・進級を間近に控え、それぞれの学年の子どもたちの姿を眺めながらこの1年を振り返っています。年少さんは初めての集団生活で基本的な生活習慣を身に付けながら社会性を学び、年中さんは協調性や自立心が育まれ、創造力も豊かに。年長さんはリーダーシップや集団の中での自分の役割の大切さを様々な活動や行事の中で学び、目標を達成してきました。たいせつ幼稚園の子どもたちが持つ素晴らしい力を発揮しながら、これからの未来に活かし、一人ひとり輝くような夢を叶えていってくれるよう願っています。
保護者の皆様、この一年間温かいご支援とご協力をいただき、ありがとうございました。何かとお手間をおかけしたことも多かったかと思いますが、そのたびにご理解とご協力をいただき、改めてその温かさに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
園長 谷藤実和
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