『秋の深まりと豊かな学び』
幼稚園の敷地内で、毎朝エゾリスさんたちが忙しそうに冬支度に奔走する姿を目にするようになり、子どもたちと息をひそめて保育室や職員室の窓から観察を楽しんでいます。また、子どもたちにとって宝物がたくさん見つけられる季節になり、足元を踊る色とりどりの落ち葉や様々な形のどんぐりなど見つけたものを大事そうに手にしながら、身近な自然に触れる楽しさや秋の深まりを感じていますよ。
秋といえば、食欲の秋でもありますね。初秋にカボチャを収穫した年中さんは、『カボチャ団子』作りにチャレンジしました。茹で上がったカボチャに砂糖と片栗粉を入れ、こねたり丸めたりする工程を楽しんでいた年中さん。焼いている最中には、待ちきれなくてマスクをちょっとだけ外して匂いを楽しみ、焼き上がりを今か今かと待っていました。できあがったカボチャ団子は、ほんのり甘くて何度もおかわりする子が続出していましたよ。一方年長さんは、収穫してから甘味を増すために1か月程熟成させたサツマイモで『焼き芋パーティー』を開催!食べやすいように一度茹でてから焼き台に入れたので、甘くてホクホクの焼き芋に仕上がりました。アルミホイルから黄色いサツマイモが顔を出すと「すっごくいい匂い!」「あっついけど美味しい!」と幸せそうな笑顔と大きなお口で焼き芋を頬張った年長さん。子どもたちが水やりをしたり雑草を抜いたりしながら「大きくなぁれ、美味しくなぁれ」と願いを込めて育ててきた野菜だけに、より美味しく、より身近に感じながら、秋の味覚をお腹いっぱい堪能することができました。
さて、先日旭川で行われた北海道私立幼稚園教育研究大会道北ブロック旭川大会では、私を含む教員全員で市内・近郊8園の保育を見学に行き、その後の基調講演で『非認知能力、社会力を育むことと子ども主体の保育』について学びました。その講演の中で、講師の汐見稔幸先生は、「少し前まで非認知能力は、暮らしを営む中で自然と身に付けられたものだったけれど、今は意識的に教育の中で育てなければいけない能力になってしまった」ことや「自然と関わることがうんと減ったことで運動能力へ影響が懸念される」とおっしゃっていました。たしかに子どもたちを取り巻く環境は目まぐるしく変わってきており、私が幼稚園教諭になったばかりの頃とは全く違ってきています。だからこそ、私たちが子どもたちを深いところから支えていくための専門性を持ち、保育の目標や内容を協議しながら、その都度アップデートしていくことが大切なのだと改めて感じました。たいせつ幼稚園の教育として今まで大切にしてきた体験活動を活かしつつ、今回学び得たことを取り入れながら、子どもたちの豊かな学びに繋げていければと思っています。
さあ、11月2日(土)に行われるお遊戯会も目前となりました。久しぶりに全学年でのステージになります。
練習も佳境に入り、ステージ上では毎日それぞれの学年が練習を行っています。年長さんは、心を一つに支え合い励まし合いながら過ごしてきた仲間たちとの絆を、ステージ上でも見せてくれています。年中さん、年少さんも、春から幼稚園生活の中で様々な経験を積み重ね身に付けてきた自信を、元気いっぱいの振り付けやセリフとして表現してくれています。
当日は堂々と笑顔でステージに立つ子どもたちの姿を、愛情たっぷりの温かい眼差しで見守っていただけたらと思っております。どうぞお楽しみに!
園長 谷藤実和
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